
分 析 評 価
分 析 目 的
「水揚げ高向上」に繋がる「有用データ情報」構築に繋がる分析評価
水産物生産に準工業製品的な計画生産性を実現
Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(対策・改善)での継続的手法改善で 実戦的な業務改善情報を構築
「健全な真珠母貝の生産供給体制の構築と保全」
分 析 背 景
(経済的)市場拡大 増産 計画生産 (天然漁獲⇒人工増殖) 資金調達 株式上場 経営監査「在庫評価」基準が必要
生産数量評価 生産段階毎の在庫評価 自然減耗 異常斃死(特別損失計上) 分析評価 基準策定
時系列変動の評価と分析手法を構築 高い計画生産性を実現
(技術的)分析評価手法の確立 健全な養殖運営を行う上での技術的な「比較評価」基準が必要
「先天的な遺伝要素」(遺伝形質に起因する情報)と「後天的な外因要素」(異常気象・手入作業ミス・移動減耗)を分離
基本データ間の比較分析する事で相関関係を解明 約20年間の継代変化を時系列変動として、比較分析する事で
新たな系統作出に必要な独自の比較評価手法を構築
※人工採苗で生産した貝(25年間・約4億5千万貝)の「育成データベース」を開発した経験
分 析 評 価 項 目
データベース(階層型)
採 苗 段 階
経歴(採卵母貝の系統)過去の浜揚げ実績との相関
交配(雌雄別の交配個体数)基本・最低交配個体数♂25個×♀25個・一桁台で後継の遺伝形質(生存)継代に影響大
受精(受精率=極体発生率 ⇒ 洋梨形率70%以下は廃棄)
変態(細胞分裂 Cell division ⇒ 卵割異常 Egg splitting abnormality)
遊泳(浮上幼生の分離)
給餌(飼育密度当りの必要細胞数換算)
摂餌(胃内容物の透過色による三段階評価・優・良・可 消化吸収による健康状態の判断)
成長(体長の計測・分布 健全貝数の把握 不良貝メッシュろ過による裾切淘汰)
密度(成長に伴う密度調整・
生残(密度当りの幼生数の変化)
奇形(殻体変形・べラム奇形)
※浜揚実績との相関・継代評価・量産・計画生産する価値の評価 継代打ち切りの判断 )
母 貝 段 階
母貝育成時
育成情報
漁場環境
餌料
生残率
成長度・分布
抑 制 段 階 (挿核時の珠シミ原因に繋がる生殖層のコントロール)
抑制 ・秋抑制(卵を持たせない)操作期間が重要
・春仕立(卵を抜く)操作時期が重要
・
・
挿 核 段 階
個人(過去の個人実績の評価:珠成績の相対評価情報)
漁場(特性:餌量:水温)漁場別の特徴
時期(環境:水温)
母貝(挿核時の使用抑制母貝のサイズ(大きさ:重量:匁)
系統(掛け合わせ系統貝種+育成漁場)
サイズ(大きさ:重量:匁)
細胞(使用細胞貝の系統・実績)
技量(
挿核・使用核サイズ(大きさ:直径分厘)
・母貝使用率(=ハネガイ率)
浜 揚 段 階
サイズ (浜揚珠サイズ:直径㎜)
分布
珠質(品質のグレード分類:①②③)
不良珠の分類:
(真円度:真円率=直径を10点計測 誤差範囲を設定)
(珠傷:突起・ディンプル・シミ)
珠表面の分類
・面照り (積層真珠層の透明度 物理的な光の侵入と反射)
(照りに反映:一層あたりの積層厚の均一化=照射・反射光に乱反射が無く光線が深く侵入)
・面ガサ(積層サイクルとの関係)
原核サイズに対する真珠質分泌
・巻き厚(適正使用核サイズの評価:両面㎜)
・増重率(真珠質の分泌総量の数値化:原核サイズが大きくなると珠サイズ㎜は減少)
技 術 概 況
・選抜育種による成績向上は可能 当時の選抜技術では選抜因子抽出基準が不明確 期待する再現精度にバラツキ
・先天的要因と後天的要因の分離解明に取り組んだレベル
・採苗失敗や異常斃死に繋がる要因の特定は可能
・当時のレベルでは、後天的なコントロールミスに起因する修正(継代作業の打ち切りなど)が有効な手段
・遺伝形質表現手法の確立 ⇒ 再現性の向上精度を高める必要
評 価 概 念
相対評価 同年の貝種ごとの成績評価には向いているが、時系列の異なる年度比較には不向き
(集団の中の順位で評価)特定集団内での比較 特定する集団のレベルが問題 相対比較 ⇒ 客観的評価
時系列で変動 外部要素
同一年度・同一貝種における採苗施設ごとの比較
施設単位の後天的要因(基本的な採苗技術レベル・人為的コントロール=淘汰基準)による成績格差が明確化
種苗格差を生む
①採苗施設の運営母体の違いによる「生産目標」の違い
「種苗会社」 ⇒ 種苗生産 ⇒ 種苗販売 ⇒ 「貝数」と「大きさ」重視 ⇒ 「種苗」の販売で事業成立
「母貝会社」 ⇒ 種苗生産もしくは委託生産⇒ 母貝育成 ⇒ 母貝販売 ⇒「貝数」と「大きさ」重視
「真珠会社」 ⇒ 種苗生産 ⇒ 健全な種苗の生産
⇒ 母貝育成
生残向上に直結する健全な母貝の生産(優良な経営資源) 核入れ作業後は単価上昇
②「先天的要因」採卵母貝(遺伝形質)について
「種苗会社」 ⇒ 母貝業者任せ
「真珠会社」 ⇒ 自社生産から選出 明確な選出目的 垂直継代を含め自社管理保存 「明確な履歴」 高い再現性
③「後天的要因」
「種苗会社」 ⇒
「真珠会社」 ⇒
育成段階毎の淘汰実態=最終成績への反映などの評価に向いている
絶対評価 系統保存に関する評価に向いている
(評価基準に則って評価)個々の成績の客観的評価 目標達成の度合いが評価基準
外部要素を含めた時系列比較 採苗段階ではなく最終成績(品質・生産性)における遺伝形質の反映を評価
同一貝種の年度比較 選抜育種による近交弱性など継代変化が明確化
評 価 対 象
生物生産における評価対象の捉え方 採苗段階単独の評価(自画自賛) 無意味 最終成績(品質・生産性)との相関
評価範囲 マクロ
ミクロ 年度ごとの系統貝種比較
デ ー タ 評 価 例
実例 真珠の「巻き」に関する「分析」と「評価」手法
試験設定
・「巻き厚」の「相対評価」の要件:「供試貝」と「使用核」のサイズを高い精度で統一
・核の直径を10点計測で高精度選別 ⇒ 巻きの比較示準となる同一サイズ核を作製




評 価 検 定 例





真珠の「巻き」の表現方法
1.「万貝重量」(従来表示)
例 「使用核万貝」=「使用核総匁」 X 乙貝数 × 10000
例 「剥き落万貝」=「剥落珠総匁」 X 乙貝数 × 10000
例 「①剥落万貝」=「①剥落総匁」 X 乙貝数 × 10000
長所:貝数の違う珠の重量を同一基準(10000個換算)で比べられる。-生産量の表示に適する。
短所:原核の情報(重量・歩留)を反映していないので、それぞれは情報の断片しか表示出来ない。
2.「増重率」(従来表示)
例 「増重率」= {剥落万貝-残存見合い原核万貝( 使用核万貝 × 生残率 × 歩留率 )÷ 剥落万貝
長所:浜揚げ珠の原核重量を使用核重量や歩留まりから推測し、巻き上った真珠質の重量比率から珠の巻く力を
貝種別に比較する事が出来る。-貝種別の原核からの伸び率の比較が可能。
短所:当然、挿核サイズが小さいと重量比率が高くなる傾向がある。また、あくまで残存核が仮想である為
脱核サイズが極端に偏った場合誤差は大きい。
参考 別紙の表のように使用原核サイズに対し過去の増重率から浜揚げサイズを予測可能
3.「増重量」(従来表示)
例 「増重量」= 剥落万貝 - 残存見合い原核万貝( 使用核万貝 × 生残率 × 歩留率 )
長所:巻き上った真珠質の重量の多い少ないのみの表示は単純に珠の巻く力(真珠質の分泌量)を貝種別
に比較する事が可能。-核サイズに関係なく貝種別の真珠質の分泌量の比較が可能。
短所:重量では比較可能、直径の伸びは比較不可。
参考 過去の同時期、同貝種、同重量の分泌予測が可能。また、その仕事の限界を知る事が可能。
4.「平均直径」㎜別 (新表示)
例 「平均直径」㎜別 = ³ √ { 3 × 8 ×( ㎜別1個当珠重量匁 ) } ÷( 0.0757 × 4 × π )
㎜別「1個当珠重量匁」= ㎜別重量匁÷珠個数 0.00075699匁=1㎜³
長所:サイズ別の平均直径を100個の珠の重量から換算可能。- 珠の直径の分散値を比較可能。
*実際に5・6㎜の珠を個別にノギスで計測し求めた平均値との誤差は殆どない。
短所:球体の公式が基本、真球に近い1級品の分析は可能、2級品以下の凸凹体の分析には不向き。
参考 珠の全サイズの平均値を比べる事が出来る。現在は各サイズ毎の平均サイズまで表示可能。
5.「膜厚値」㎜別 (新表示)
例 膜厚値=平均直径-残存見合い換算原核直径
長所:サイズ別真珠層の膜厚値を100個の珠の重量から換算可能。-珠のmm別膜厚値を比較可能。
短所:球体の公式が基本である為、真球に近い①の珠の分析は出来るが、②以下の凸凹体の分析には不向き。
:核サイズ毎に同じ重量が巻き上がると立証されて、初めて成り立つ理論である。
「珠シミ」分析評価
挿核母貝(雌貝・雄貝)別 挿核位置(A点・C点)別 珠シミ原因 確認試験
※試験条件 (雌雄選別 抑制仕立 挿核技術者は同一 秋季挿核 2個入 同一サイズ核使用)




挿核時に生殖細胞(精子 卵母 残牀も含む)の侵入が一番少ないと思われる「雄貝のA点」が珠シミの少ない
挿核時における生殖細胞(異物)の混入は血球蝟集に繋がり珠シミ発生に大きく関与



遺伝頻度 系統と幼生評価



環 境 変 動( 構 造 分 析 )


「水温変化による漁場分類と特性」
漠然とした経験ではなく、客観的な資料を基に、様々な気象変化に伴い自分の漁場がどの様に変化するのかを明確に知
る 必要がある!(弱点と長所) 気象変化による個々の漁場変化の特性を把握し、水温変化に由来すると思われる部分
(高低の危険水温帯、急激な水温変化、貧酸素水塊の形成)の斃死を漁場特性と貝種特性によるマッチングで回避出来
ないかを考える。
従来の漁場の概念
従来 内湾性漁場(波静かで餌も多く珠も捲く)
近年 夏の高水温や冬の低水温が問題視されるようになり、外洋性漁場(波は荒く餌も少なく珠も捲かないが斃
死が少ない。)への越夏越冬の移動養殖が必要となってきた為、外洋性漁場を開拓し、使用してきた。 1.「内湾性漁場」「外洋性漁場」以外に、分類出来ないか?(各漁場の水温変化には特性が無いのか?)
深度別に水温変化を1時間毎の連続計測してみると漁場、深度毎に水温変化に特性が在ることが判る。
変化に由来すると思われる要因毎に分析すると以下の内容で分類出来る。
時期別 「気象」A-(水温と気温の差が大きく、気温の日較差の大きい時に以下の影響を受ける漁場)
「気象」B-(水温と気温の差が大きく、気温の日較差の小さい時に以下の影響を受ける漁場)
「気象」C-(水温と気温の差が小さく、気温の日較差の大きい時に以下の影響を受ける漁場)
「気象」D-(水温と気温の差が小さく、気温の日較差の小さい時に以下の影響を受ける漁場)
要因別 「日照」-(最高水温のピークが昼過ぎに1回)
「潮の干満」-(潮の干満に由来し最高水温のピークが1日に2回)
「降雨・積雪」-(局地・直接的に短期間で変化し易い)
「潮流」-(黒潮の蛇行により、高比重の外海水接岸の影響を受ける)
「風向」南型-(漁場が陸地と近くの北側が陸地で南側が開けていると南風で水温上昇)
「風向」北型-(漁場が陸地と近くの南側が陸地で北側に開いていると北風で水温下降)
「陸水」-(後背地の降雨・積雪により間接的に陸水・冷水の影響を長期間受ける)
2.分類の実例:夏場の高水温(気温≧水温)時の好天時期を分類
A.「深部まで日照影響型の水温変化をする漁場」開放系の漁場 開放日照型
B.「垂下層まで日照優先で深部は潮流影響型の水温変化をする漁場」 湾口潮流型
C.「表層のみ日照の影響型で垂下層以下は潮流影響型漁場」 湾奥干満型
漁場型分類 表層日格差 垂下層日格差 深吊層日格差 漁場
開放日照型 a-1. 大(日照) 大(日照) 大(日照) 島子 大江 浦田
a-2. 大(日照) 大(日照) 小(日照) 野釜 岡丸
湾口潮流型 b-1. 大(日照) 大(日照) 小(潮流) 阿漕
湾奥干満型 c-1. 大(日照) 小(干満) 大(干満) 皆割石
c-2. 小(日照) 大(干満) 大(干満) 若松
b-2. 大(日照) 小(日照) 小(干満) 田の下
3.異常斃死時期の漁場分析の例
時期=梅雨から夏にかけての水温上昇時
気象=高圧帯が長期間安定し梅雨前線の北上を妨げる
前兆=2週間位安定した晴天が続く
表層の日較差が非常に大きくなる(常に水温より気温の方が高い)=躍層の出現
水深毎の水温が明確となる=躍層の明確化
要因=1日の水温差が3℃以上になと貝に対する負担が大きくなる
=生息に不適な水温(生活水温を越えた27℃以上の警戒水温)に長期さらされる。
=台風等の風雨が水温の急上昇を促す
時期=夏から秋にかけての水温下降時
気象=高圧帯が長期間安定し秋雨前線の南下を妨げる
前兆=2週間位安定した晴天が続く
=水温の低下が殆どない(大気温度と海水温度が同じ)
=低層の日較差が小さくなる=躍層の出現
=水深毎の水温が明確となる=躍層の明確化
要因=海水の上下層の交換が殆ど行われない
=台風等の風雨による水温の急低下が海水の上下層の交換を促す
結果=貧酸素層が形成され易い
=交換が無ければ底の貧酸素層が次第に厚くなり貝の垂下層に達し悪影響を及ぼす。
=長期間交換が無い=風雨等での海水上下層の逆転現象があれば悪影響。
=短期間交換が無い=風雨等での海水上下層の逆転現象があれば好影響
4. 従来の常識と例外的な事実例
伊万里-阿漕
従来、深吊り層においては表層に比べ、水温変化が少なく安定していると言われ、夏場に深吊
りにて高水温をかわす等の考えが生まれていたが、漁場によっては表層よりも水温は高く、日
格差も2℃以上もある漁場があることから、深吊りは逆効果を生む漁場があることが判った。
島原-口之津、五島-大平
夏場、比較的高水温の影響を受けない外洋性の漁場とされてきたが、実際には日較差が大きく高
水温の影響を受けていた事が判った。
水温下降時、九州南部から黒潮の蛇行によって黒潮が遠のくと、低水温の外海水の接岸で漁場水
温が急下昇する事が判った。
冬場、比較的高水温の影響を受けない外洋性の漁場とされてきたが、九州南部に黒潮の蛇行が近
づくと高水温の外海水の接岸で漁場水温が急上昇する事が判った。
天草-島子
日較差、月較差共に少なく安定している為、夏冬共に安定した漁場であると言われてきたが、10
年間の平均値と年度別・月別水温を比較する事によって、年度変化は大きい漁場で年によっての
差が大きい事が判った。




成 長 分 散 (経営分析)例





