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​養 殖 技 術

「工業生産」と異なる「生物生産」

        工業生産と異なる生物生産の「多様性」

        生産物の形質固定が困難 不安定な生物形質 

        「養殖技術」には「生物生産」+「工業生産」の総合的なノウハウが必須

        「計画生産」および「量産」時に問題となる不安定な生物的形質

        生産物の生物的な評価把握技術が必須

​「養殖産業の課題」

         ①計画生産(生産実態の把握:粗放的養殖➡集約的養殖

                 (生産実態の把握:生産量及び品質とコントロール)

                                     (流通を目的とした商品の規格化⇒グレーディングの確立)

                               ②技術開発(貝:選抜育種による優良品種作出・専用収容器および付着物対策と省力化)

                               ③経費圧縮(種苗単価の低減:生産性向上:選抜付着と付着物防御効果を活用)

                               ④市場開拓(新商品開発と国際流通を見据えた品質の国際規格化)

​「計画生産体制」への移行

​需要増加と多様化への対応が必要

    販売価格の上昇 ⇒ 為替安に伴う訪日客増加でインバウンド需要が拡大 

    食文化の熟成変化 ⇒オイスターバーなどの普及で、高単価の殻付き牡蠣市場が拡大

高い生産コストでも養殖生産の収支が合う市場が形成

「裸吊」から「収容器」養殖へ

「量産技術」の基本となる「計画生産」は、生産実態の把握が基本となる。 

「管理養殖」の実施には生産実態(貝数・大きさ・収容器当たりの養殖密度)を把握する事で「計画生産」が可能となる。

販売単価上昇で、量産体制確立を目的とした養殖方法開発にコストをかけられる様になった

戦後の国策として、高い収益性を背景に、真珠の養殖技術の開発に注力、生産技術が大きく進化

「真珠養殖で大きく進化した養殖技術」 

 

  真珠養殖(高収益) ⇒ 養殖技術開発に資金投入= 生産性向上に直結した基礎研究

  生産目的が「真珠量産」= 一貝毎に手作業が多く生産コストが高い = 事業成立 = 挿核後の高い生残率が必須

 真珠産業(母貝生産+真珠生産)高コスト養殖の成立=高精度な養殖技術が前提

  「母貝生産」 ⇒ 「天然採苗」:計画生産および量産が不安定(年変動が大きい)しかし安価 

                               「人工採苗」:量産可能(高い計画生産性・再現性) = 系統・継代管理が可能  しかし高い生産コスト

  「真珠生産」 ⇒ 「天然母貝」:質的再現性は低い

                               「人工母貝」:系統管理で生まれる優良系統による高い生産性 ⇒ 質的向上​

 ※真珠養殖は他の食用二枚貝の養殖と異なり「母貝」生産段階と「真珠」生産段階の二段階で成立する技術である。

 第一段階は、真珠を作るための「挿核用母貝」が安定して量産出来なければならない。

 第二段階は、真珠を得る為の「挿核済みの真珠貝」(玄貝)」の生残率が高くなければ真珠生産は成立しない

  「挿核作業」時に一貝毎に高額な「真珠核」代および「挿核人件費」がかかるため、一貝あたりの「製造コスト」が一気

    に高額となる。挿核後に死なない真珠貝養殖技術が最重要で、挿核施術後の斃死率は真珠養殖事業の成否に関わる

 すなわち真珠産業は「種苗生産」から「真珠生産」まで連続した「養殖技術」を確立しなければ産業として成立しない

    真珠の母貝生産技術は食用二枚貝生産における最終段階であり、出来て当り前の養殖技術を確立している

 真珠の一貫メーカーでは、同一組織内において「種苗生産」から、最終目的である「真珠生産」までの成果が問われる

    そのため、毎年、浜揚げ結果として「生物的」・「経済的」にも一対一の逃げ場のない評価と改善対応を経験

     前職時代に4ヵ所の「種苗生産施設」で生産した種苗を、6ヵ所の「養殖施設」で養殖するという多岐にわたる複雑なフ

  ィールド環境下で、「系統作出」「継代管理」「資材開発」「評価分析」手法の開発を含めた「養殖経営」に25年間従事した

     経験をもとに、独立起業後19年間、その他の「有用二枚貝」養殖運営に有効な新しい養殖技術を開発、国内外で展開

「一般的な二枚貝生産」と「真珠生産」の違い​

※産業としての養殖技術は各段階における限定的な「各論」ではなく、成果に繋がる総合的な「技術集積」である。

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​実例紹介 牡蠣養殖

「マガキ」の​養殖技術について

〇「カルチベーション」 安価な天然種苗を背景に大量生産による粗放的な養殖手法 

           採苗器(ホタテ貝殻など)への付着した一種の裸吊養殖 現段階では生産量の99%位

     種苗貝の付着貝数密度のバラツキから生残貝数および斃死実態の把握が困難 

     付着貝殻から「脱塊・分殖」後に「篭」養殖へ移行 実態把握による修正可能

           従来の「剥き牡蠣」では剥き身の重量サイズで選別販売

〇「シングルシード」 高精度な人工種苗+高度な育成技術が必要、集約的な養殖手法   

     一粒づつセパレートして網篭などの収容器を用いる管理養殖 現段階では生産量の1%位

     生残貝数などの生産実態の把握が容易で、量産・計画生産には優れる

     管理養殖技術が必要

     コスト:種苗単価が高額・収容器などの養殖資材が必要で導入時の初期費用が大きい                  

     「殻付き牡蠣」による生食市場の拡大・貝殻形状や肉質など商品の統一性に価値

         

世界規模の気候変動に対応するための「養殖形態」とは

養殖環境の変化

〇 付着生物の変化 ⇒ ザラボヤ・イタボヤなどにカキ外殻が覆われ、開閉・摂餌・呼吸困難による斃死が増加

  原因 降雨 比重低下で珪藻類の優先付着物が死滅剥離、付着基盤を整備した状態でフジツボなど除去困難生物が付着

        河川流入地区は栄養塩の増加による海水中の植物性プランクトンが大発生後、動物性プランクトンが減少

     日照 高水温などで透明度が高い時期は、光達深度が深くなり付着珪藻などの付着生物が優先付着

     波浪 波浪により付着藻類など優先付着物が剥離落下、フジツボなど除去困難生物が付着

     捕食 水温上昇で、チヌ・ブダイなどの捕食稚魚がフジツボなどの付着生物を捕食する時期が変化し、大量付着

〇 養殖手法の変化 ⇒ 環境変化による斃死増加に対応するため

  従来「カルチベーション」方式 (ホタテ貝殻に付着して育成)

        ・カキ外殻が付着物に覆われ、開閉・摂餌・呼吸困難による斃死が増加

              ・付着物による斃死対策として付着物の「防御」「除去」必要となりつつある

           ・現状の「ホタテ貝殻の連による裸吊」では高圧洗浄や淡水処理などの付着物対策が困難 

     「種苗生産」 

                    ・天然採苗(粗放的手法で大量生産)安価

      ・形質がバラバラで揃っていない為、一度にまとまって死なない。分散=強い?と認識 ハンドリング不要

      ・生産効率は低く、スタートの種苗価格が安価でなければ成立しない 厚種でも最終残存は少量(10貝/盤)

     「養殖生産」

                    ・自然任せ 高い養殖技術を必要としない。人為的な技術介入の余地は不要

      ・養殖実態(貝数把握)の把握は難しい。統一性が無い。養殖密度も生残任せ

​                 ・斃死問題(何時、どの位斃死したのかさえも明確でない)生き残った貝を出荷する状態

​     カルチの場合、付着盤毎に付着密度は異なり、実体把握は困難、大量量産を目的とした「計画」生産には不向き

     手入れ作業(脱塊・分殖)まで養殖実態(貝数)把握が出来ないため、何時、斃死減耗したのかさえも判らな

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  新規「シングルシード方式」(一貝づつセパレートして網篭などによる収容器にて育成)

              ・網篭などの収容器による育成方法は高圧洗浄や淡水処理などの付着物対策が容易

                    ・高水温時の溶存酸素量低下に対応するために、収容器あたりの養殖密度のコントロールが容易​

      ・一篭当たりの定数化 ⇒ 養殖実態の把握 ⇒ 計画生産が可能 ⇒ 大量生産が可能

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     「種苗生産」 

                    ・人工採苗(管理生産)陸上飼育時に必要な餌料培養に関する経費が必要で生産コストは高価

      ・過度な選抜育種貝は生存バンドが狭く形質が揃っている為、一度にまとまって死ぬ可能性は高い。

      ・「優良種苗」とは

       養殖段階で高い「生残・成長率」が期待出来る 育成初期段階からの選抜淘汰が必須 優良種苗は高価

       高価な種苗貝は、沖出し後に中間育成を経た「大型稚貝」としての現場配布が必須 生残率向上には有効

     「養殖生産」

                    ・管理養殖 多くの養殖技術が必須

      ・養殖実態(貝数把握)の把握が容易。統一性が高い。養殖密度も自在にコントロール可能

​                 ・斃死問題(何時、どの位斃死したのか明確)斃死原因の特定が可能 次期養殖の対策が立て易い

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 〇二枚貝(無給餌養殖)の現状

  「マガキなど食用の有用二枚貝養殖」

  ・従来手法(天然採苗・粗放的なカルチ養殖)が、環境変化に起因する生産性低下への改善対応力に限界

  ・計画生産(人工採苗・集約的な網篭養殖)が、生産実態の把握を含め、環境変化に対する対応力が高くシフト中

  「真珠・母貝養殖」

  ・天然採苗→近年の環境変化に起因する生産安定性の低下で事業存続が限界

  ・人工採苗→環境変化に対する対応力が高くシフト中

​   網篭養殖→生産実態の正確な把握と、移動などによる環境急変への対応力が高い​

(食用二枚貝)消費・流通サイドから養殖業に求められる供給体制

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「産地の生産者と連携した、新しいサプライチェーン構築」

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実証事業例の紹介

(株)西海養殖技研、広島県、ヤンマー(株)、かなわ水産(株)でコンソーシアム

「先端農商工連携実用化研究事業」
課題名-「シングルシードカキ養殖法・流通の高度化によるかきオールジャパンブランドの確立」

経済産業省 中国経産局     2012

〇 生産性向上(Productivity improvement)​

※養殖生産の「目標」は、生産した生産物を如何に販売出来るかである。

 ・生産効率「量」⇒「生残率」・「製品率」(歩留)・「作業効率」

 ・販売効率「質」⇒「商品価値向上」

◎カキ養殖に於ける養殖機械(形状選別機・重量選別機)導入による生産性向上 (実例) ​

​

​【 従 来 】

・出荷販売時

「重量選別」⇒「サイズ別」価格で販売(SS・S・M・L・LL)など出荷時の重量選別での判定

         ※販売単位が「重量」販売が基本 ⇒ 商品に統一性が無く明確な規格化が困難

「デメリット」「殻付き」⇒「販売品質」出荷販売時の不良品(身入り不足)の明確化困難(顧客が剥身時に判明)

                                                「生産性」  規格外サイズは全て「廃棄」に繋がり、「生産効率」悪化に直結

       「剥き身」⇒ 「省力化」 機械による大量選別が可能 ⇒ 剥身ロス(人件費)の低減 剥身作業効率向上

                                                 「生産性」 規格外サイズは全て「廃棄」に繋がり、「生産効率」悪化に直結​

 

​【 新 規 】

・養殖初期

「形状選別」⇒「大きさ」毎に選別(中間育成後)

        ※「シングルシード種苗」は「経歴」が同じなので大小選別の効果は大きい(成長差持続)

「選別育成」⇒「サイズ」毎に育成   ⇒ 生産規格毎「形状サイズ」の「平均化=統一化」が目的

        ※「種苗」段階からの「サイズ毎選別育成」は最適な養殖密度設定が容易

・出荷販売時

「重量選別」⇒「形状サイズ」規格は統一しているので、平均重量規格外は「身入り不良」と判別が可能

        ※「シングルシード種苗」は貝殻重量も平均化するので判定効果は品質に直結

「メリット」 「殻付き」  

                        「販売品質」機械選別により、不良品(身入り不足)を数値で明確化、判定効率向上​

                        「生産性」   規格外の不良品は剥身せずに「再生産」⇒ 出荷効率(生産性)の大幅改善 

          「剥き身」⇒「省力化」機械による大量選別が可能 ⇒剥身ロスの低減  作業効率向上       

       「 生産性」   規格外の不良品は剥身せずに「再生産」⇒ 出荷効率(生産性)の大幅改善 

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​   ◎近年の養殖生産物の海外輸出に関し、明確な規格(サイズ・品質・安全性)化は必須の取引要件​

〇 シングルシード 量産システム(形状・重量・グレーディングによる生物生産手法)

形状選別(形・サイズ)

形状・分級機

サイズ選別(大中小)

サイズ別に育成

重量選別

重量・分級機

同一サイズなので殻付きのまま身入り度を判別可能

エラー品を再生産する事が可能で高い生産効率向上に寄与する

※ 殻付き牡蠣(生貝)の生産において、従来困難であった品質(身入りの精度)確認を剥身せずに達成可能となった

〇 「カルチベーション」 + 裸吊り「数量」「質」共に不明な(粗放的)

ホタテ貝殻に付着した「連」の状態で竹(コンポーズ)筏から垂下する養殖方法。

人工採苗による種苗生産

ホタテ付着板で連組

養生​

厚種 密植状態

竹筏から連で垂下

貝殻に付着したまま成長

機械による脱塊

手作業による脱塊

   問題点:

  ・「量」養殖実数の把握が困難(養殖初期段階の食害・波浪時の脱落)➡ 計画生産が困難

  ・「質」付着状況に起因する外観および肉質の統一性が低い

  ・「手間」ホタテ板からの脱塊作業に手間がかかる

 ※  出荷時まで養殖実態の把握が困難で計画生産性が低い

〇 「シングルシード」 + 防汚篭育成「数量」「質」共に明確な(集約的)

一粒ごとにセパレートした種苗段階から、収容器に入れ、垂下する養殖方法。

FLUPCY 育成

殻体成長を優先

左殻は下 右殻は上​

カラム内で高密度飼育

セパレート養殖

形状の平均化

篭養殖でリンペン成長

高密度でも集塊しない

形状選別後定数化

初期のキャップ形状形成

上下の整合性で固着無し

供擦りを必要としない

 問題点:

 ・牡蠣類は収容器の中で貝同士の付着により「集塊」を形成するので、物理的な成長阻害を起し易い

 ・種苗単価が高価な為、生産歩留まり次第では養殖初期段階から採算割れを起し易い

 ・収容器が必要な為、余分な資材償却経費が掛かる。

〇国際流通規格(International Distribution Standards)

「国際流通に適した規格表示可能なマガキ」

・急速冷凍:IQF(Individual Quick Frozen)ラインの構築

従来の緩慢冷凍(Giftbook Quick Freezing)に比べ、食品細胞の破壊を抑制、鮮度維持に有利

・異物混入検査(Contamination inspection)の前処理システム構築

※ 生産ライン上の異なるメーカーの検査機器の処理スピードの同調(シンクロ)と搬送システムの構築が重要

搬入システム

投入風景

クリーンルーム化

フリーザー制御盤

IQFトンネルフリーザー

セパレーター​

搬送機

異物検査装置

異物検査制御盤

シンクロ装置

重量選別機メーカー

IQF重量選別機(供給装置付)150個/min×2乗  18,000個/h  選別(5ランク+規格外)DSG5500W-5R-P400-4K3-YAF07-HP

作動状況 動画

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​工事中

〇 新商品開発(New Product Development)   ​​​

「一口岩牡蠣・夏牡蠣」(従来品と競合しない新商品を安価に生産供給し市場を拡大)​

・岩牡蠣の既成概念からの脱却➡小型=養殖期間の短縮=生産性向上➡真牡蠣と同価格帯で市場参入

・既存の岩牡蠣(大型)との競合回避➡春で終了の真牡蠣の延長商品➡夏牡蠣食市場を新規形成

・シングルシードにより計画生産及び安定供給形態を構築➡商品流通の「量」が確立

​・独自のグレーディング・キャップ形状により、均一性の高い養殖を実現➡商品流通の「質」が確立

(天然採苗による安価な自家生産のシングルシード種苗と養殖初期からのグレーディング) 

​・カキ礁➡劣化ホタテ貝殻で天然採苗➡防汚篭内で自ら剥離(省力化)➡疑似シングルシード

・食害防止網篭育成➡大小選別(機械篩)➡計画生産を実現

・生産物の現状把握=準工業製品的な計画生産性➡「量と質」の明確化➡計画流通の実現

・国際流通には価値観共有の為の明確なグレーディング規格構築が必須要件

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